早いもので2002年の創業から22年目を迎えています。
当時は私も30代の半ばくらいで、なかなか清かな青年社長だったはずなのですが、今では俗に言う"アラ還"の、やや迷惑なオヤジ社長へとすっかり変貌を遂げています。その間、世間もそれなりに変わってきているようで、それこそオヤジ目線で見れば、なにごとも速くなり単純になり安価になったように思います。効率優先であちこち緩衝材が取り除かれ、いろいろ安全ではなくなってきているようにも案じられますが…
もともと私は昔で言う文系の学生あがりで、社会や経済などといったたいそうな枠組みの話より、ついつい個人や個人の嗜好の方に興味が向くたちです。社会に出てからも、ダイナミックで秩序立った動きより、選択肢をゴチャゴチャッとたくさんひろげて、眺めてみたり手に取ってみたりするようなやり方(?)を好んできました。およそビジネスマンとしては残念なタイプで、よくもまあこんなデジタルな時代に、まがりなりにも20年とか会社を続けてこれたな~と我ながら感心しているところですが、それもこれもすべて、寛容かつ鷹揚に私たちを支えてくださったお客様やビジネスパートナーのみなさまのおかげであると、つど実感し感謝する次第です。

オーバスネイチメディカル・グループは、2022年香港市場に上場し、国際市場において評価される立場となりました。世界的には急伸しているインターベンション(低侵襲)治療ですが、日本においては医療の充実とともに量より質への転換が求められています。日本法人としては、ここ5~6年で実績を上げてきた東京先進技術研究所における製品開発を加速させ、より深く幅広く、お客様のニーズに応える製品群を充実させていく所存です。

なにかと生産性が取り沙汰される昨今ですが、効率を追求することが必ずしも会社の生産性を上げるわけでもないはずです。むしろそこを注視し過ぎれば、視線は市場から遠ざかり、せっかくの産出物もあまり価値のないものとなるでしょう。ルイス・サリヴァンが言うように「形態は機能に従う」のであれば、欲しい機能から逆算して形態に工夫を凝らすことこそ重要ですが、欲しい機能とは、市場を見渡さないことにはわかりようがないのです。どうやら門外漢であった私にとって、そんなことがとても都合良く作用してきた20余年だったのかもしれません。試行錯誤が苦にならないのはそれこそ性分ですし、回り道を厭うほど、恥ずかしながら時間を大切に生きてきたわけでもありませんので…
オーバスネイチメディカル株式会社の社員はみな、いままでもこれからも、常にお客様に目を向けてベストを尽くして参ります。どうぞ変わらぬご愛顧を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

2023年7月
大場 剛

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